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根本的な原因を治療するオルト矯正とは?
矯正と聞くと、多くの方は「歯並びをきれいに整えること」をイメージされるかもしれません。しかし、オルト矯正は異なります。
歯並びが乱れるのには、必ず理由があります。
その理由を一つひとつ丁寧に探り、根本から整えていくことで、自然で美しく、しっかり噛める歯並びへと導きます。
それが「オルト矯正」です。
歯並びが悪くなる原因については、別ページの「歯並びが悪くなる4つの原因」で詳しく紹介しています。
よければ、そちらもあわせてご覧ください。
従来の矯正との違い
大人の歯科矯正と、子どもの予防矯正は少し違います。
口やあごの成長が終わった大人は、ワイヤーなどを使って歯の位置や向きを物理的に動かす必要があります。
一方で、子どもは口やあごがまだ発育の途中にあるため、口腔機能や筋肉のバランスを整えるトレーニングによって、歯並びをきれいに導くことができます。
| 項目 | オルト矯正 | 従来の矯正 |
|---|---|---|
| 痛み | ほとんど痛みがない | 痛みを感じることがある |
| 抜歯 | 歯を抜かずに治療できる | 歯を抜く可能性がある |
| 後戻り | 正しい筋肉の使い方を身につけることで後戻りしにくい | 後戻りしやすく、治療後も保定装置の使用が必要 |
| トレーニング | ご家庭でのトレーニングの継続が治療の結果につながる | 装置をつけていれば治療が進む |
従来の矯正は「限られたスペースの中で歯を並べる治療」。
一方、オルト矯正は「歯を並べるためのスペースそのものを育て、さらにそのスペースを狭くしてしまう原因を取り除く治療」です。
歯並びの乱れは、つまり「歯を並べるためのスペース」と「歯の大きさ」のバランスが合わないことで起こります。
言い換えれば、スペースがしっかり確保されていて、変なクセや筋肉のアンバランスがなければ、歯は自然と正しい位置に並ぶのです。
そのため、オルト矯正の目的は「歯を並べること」ではなく、「歯が正しく並ぶための土台を整える=身体を育てること」にあります。
お子さんのこんな症状ありませんか?
- 口があいている
- 歯並びが悪い
- 虫歯になりやすい
- 口臭がある
- 発音がはっきりしない
- 寝相が悪い
- 朝なかなか起きられない
- 集中力が続かない
- 感情の起伏が激しい、怒りっぽい
- いびきをかく
- おねしょをする
- 姿勢が悪い
など、これ以外にもさまざまな症状があります。
すべての症状がオルト矯正で完全に良くなるとは限りません。
それでも、治療を行うかどうかによって、日々の快適さや体の変化に大きな違いが現れることがあります。
なぜでしょうか?
それは、オルト矯正が「症状を抑える」ことではなく、症状を生み出している原因そのものを改善する治療だからです。
原因を放置したまま「歯」だけを並べても、時間がたつと後戻りを起こしたり、不快な症状が残ることがあります。
せっかく費用と時間をかけて治療しても、また元に戻ってしまう、これでは根本的な解決とは言えませんし、お子さんの「健やかな幸せ(健幸)」にもつながりません。
オルト矯正ではどんなことをするの?
オルト矯正の具体的な治療の進め方についてご説明します。
1. 審査・診断
現在の歯並びや口まわりの状態を詳しく確認します。
2. 口まわりの筋力アップトレーニング
まずは、口の周りの筋肉を鍛えるための基礎トレーニングを行います。
※舌小帯(舌の裏のスジ)の形や動きに問題がないかも合わせて確認します。
3. 装置を使ったトレーニング
既成のマウスピースや、オーダーメイドの装置などを使いながら、さらに効果的なトレーニングを行います。
4. ご家庭での継続トレーニング
医院での指導内容をご家庭でも続けていただきます。
※治療を成功させるポイントは、親御さんと一緒に「楽しみながら」「ゲーム感覚で」取り組むことです。
リラックスして続けるほうが、うまくいくケースが多いです。
5. 治療の目安期間
おおよそ1年3か月〜1年6か月を目安に治療を終了します。
状態によっては、最大で約2年まで延長する場合もあります。
6. 治療後のメンテナンス
治療が完了した後は、保険診療による定期的なメンテナンスを行いながら経過を見守ります。
※必要に応じて、再度治療をご案内する場合があります。
まとめ
オルト矯正は、単に「歯をきれいに並べるための治療」ではなく、歯が正しく並ぶための土台を整える“育てる矯正"です。
見た目の改善だけでなく、呼吸・姿勢・発音・集中力など、全身のバランスにも良い影響を与えることがあります。
お子さんが本来持っている成長力を最大限に引き出し、健やかな発育と自信につながる笑顔を育む、それが、オルト矯正の目指す治療です。
気になる症状がある場合は、できるだけ早めにご相談ください。
お子さんの成長に待ったはききません、ベストなタイミングを逃すと治療効果も限定的になります。
早い段階で原因を見極め、正しい方向へ導くことが、お子さんの将来の「健幸」につながります。